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お祭り
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翌日、ミケは牢屋の鍵を持って僕の所に来た。
「ねぇ、本当に大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。」
ミケは、今から悪い事をしようとしているのに凄く呑気だ。
「さ、おいらについてきて。」
そう言われて僕はミケのあとを追う。
抜き足、差し足、忍び足。
警備が手薄だからといって、全くいない訳では無いのだ。
それにしてもミケは警備の目を華麗にくぐり抜けていく。
慣れているみたいだ。
「どうしてこんなに慣れているのか、気になるかい?」
僕は素直に頷く。
「おいらは昔、此処いらの貴族を狙う盗賊団の一味だったんだ。」
「えっ!?」
びっくりしてしまい声がでる。
「しー。警備にバレちゃうから静かに。」
ミケはそう注意すると、話を戻す。
「ある時おいら達一味はこの城に盗みに入ったんだ。途中までは順調だった。でも賊に入りたての下っ端がミスを犯して警備の人間に見つかっちまった。仲間達は一目散に逃げていった。おいらも逃げようとした。だけどその下っ端は逃げ遅れてたまたま城に来ていたライト様に捕まっちまったんだ。おいらはそいつを放っておけなくて、下っ端を庇った。おいら達はその時、重い刑に処せられるはずだったんだ。でもそうはならなかった。ライト様がおいら達を助けて下さった。」
僕は興味津々で目をキラキラさせながらミケの話を聞いた。
「ライト様は賊から足を洗うことを約束させておいら達を解放してくれた。そんなライト様の優しさに惚れておいらはライト様の部下になったんだ!」
「おぉー!」
僕はずっと城の中で育って来たから、外の世界を知らない。
だから、外の世界の話は大好きだ。
それにライトの昔の話が聞けたのは凄く嬉しかった。
そんな話をしているうちに、いつの間にか僕達は城の外に出ていた。
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