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ーーーバサバサバサッ
手をついた位置が悪かったのか、机の上の山積み書類が向こう側へ雪崩を起こす。
梓はもう溜息をつくことも出来ず、最後の一枚が床につく様をぼーっと眺めていた。
「……っち」
仕方なく机の向こう側へ回り込み、広範囲に海のように散らばる書類を拾おうと手を伸ばした。
その時、ふと視界の端に入ったそれに梓は思わず手を止め る。
『今年度学園祭予算案』
まだ作りかけのその書類は本来会長である梓では無く会計が作成するもの。
そのほかにも書記が作成するはずの会議の報告書や副会長と分担して行うはずの幼稚舎から高等部までの行事の取り決め資料、来期の部費の割り当て資料などと担当外のものや確実に一人分ではない仕事が散らばっていた。
梓が使っていた机から落ちた書類たち。
もちろんそれら全て梓がここ一週間一人で片付けてきたものだった。これだけまだ残ってやっと折り返し地点。
何故梓一人がこんな事をしているのか。
その原因は転入生にあった。
ーーー他の生徒会員たちは、転入生に夢中になってしまっていたのだ。
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