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尋ね人と待ち狐(6/22)
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大人になると……白が見えなくなる?
……やだ…。
「嫌だよぉ……ハクぅ…っ」
「な…っ」
俺がボロボロと涙をこぼしはじめると、白が慌てふためく。
俺はそんな白に抱きつくと、わんわんと泣き始めた。
「ふえぇ…っぅぐぅ…っ白ううぅう"っ」
「お、おい……」
「嫌だぁ…やだよう……っ、白、見えなく、なりゅの…?
ぴーたぱんみたいに、見えなくなっちゃうの…?」
「ぴ、ぴーたぱんとは何だ?」
「ふうぇぇ…っ、白…白ぅ…!! 」
嫌だ。白が見えなくなるなんてやだよ。
大人になんかなりたくない。
ずっと白と一緒にいたいよ…!
しばらくの間、白は黙って俺の背中をさすってたけど、急にしゃがみ込んで俺を抱きしめてきた。
目の前に白の胸板が広がる。
「ヒトの子……けっして目を開けてはならぬぞ」
「……!」
白が狐のお面に手をかけたのが見えたため、ギュッと目を閉じる。
見たら…白の顔を見ちゃったら、白が死んじゃう…!
──ふいに、おでこに何かが当たった。
少し湿った、柔らかくて温かい感触。
おでこに吐息を感じ、理解した。
……白が、俺のおでこにチューをした。
白はふっと笑みをもらすと、目をギュッと閉じたままの俺の頬を撫でた。
「泣き止んだな……。お前が以前に言っていた、母親の"おまじない"は本当に効くようだ」
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