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第一章~高校2年生・春~3
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「お前、俺が同じ学校だったの気づいてなかったんだね。
一応去年も涼真と彼方と同じクラスにいたんだけど。」
「知らんかったわ。……で、今年は紅野も同じクラスちゅーことか。」
「あんまり嬉しくなさそう。」
「そないなことはあらへんよ。」
紅野くんはそう、と言って微笑むと久我くんを引っ張って席に行った。
久我くんの後ろ1個あけたところに鞄をおいた紅野くん。
…苗字はなんなんだろう?
「……そう言えば涼本と久我は同じ中学出身だとか言ってたな。まさか羽桜まで一緒だったか。」
「…お前が知ってるゆうことは紅野はやっぱり陸上部か。」
「あぁ。」
久夜と同じ中学の人って結構いるんだ。
全然いないのかと思ってた。
だって久夜、中学校の頃の話とか全然しないし。
知り合いもいないと思ってたけど、そうでもないんだよなぁ。
同じバスケ部の仁君も同じ中学校って言ってたし。
……俺より断然友達多くね??
「久夜、あのさ」
「海翔~、久夜~!
あ、君がヒロカワくん??久夜と海翔がお世話になってます!俺ね、久我涼真。涼真って呼んでくれていいから。俺も梁瀬って呼ばせてもらうね!!」
「は、はぁ……」
「黙れ。」
「うっさい。」
「いったぁー!ちょ、海翔も久夜も殴ることないだろ!?」
席から戻ってきた久我くんに抱きつかれて自己紹介された瞬間に、久我くんに久夜と谷地島の鉄拳が落ちる。
…グーで殴られてたよ。痛そう。
「うるさいやつだけど、悪いやつじゃないから。
俺は涼本紅野です。久夜たちとは同じ中学で、彼方と同じ陸上部なんだ。
…谷地島くんとも初めてだよね、よろしく。」
「よろしくお願いします。」
「うん、よろしく……」
涼本くん、かぁ……
急に知り合いが増えた気がする。
っていうか、久夜の友達が多すぎる。
なんだ、このクラス。バランス悪すぎるだろ。
「梁瀬、さっき」
「大体揃ってるか~?おいお前ら席つけ!」
久夜に腕を引かれた瞬間にドアから先生が入ってきた。
久我くんが悲しそうに席に戻る。
俺も彼方の後ろの席に座る。
彼方の後ろ、久夜の後ろ姿も見れる。
……変な席。
久夜は何を言いかけたんだろ。
「…このクラス、2年のエース揃いすぎじゃねーか。俺の手に負えるのか…?
とりあえず担任の磯貝だ。今年1年間、担任して数学を教えるから、まぁよろしくな。」
去年も数学を教えてくれた磯貝先生が担任かぁ…
悪くないかも。面白いし、ノリがいいんだよね。
にしても、確かにエースはいっぱいいるのかもしれない。
だって、サッカー部で有名な久我くんにバスケ部で有名な久夜。陸上部で有名な彼方もいる。
2年生の中じゃ断トツ有名な3人だろうなぁ……
先生の言葉にうんうんと頷く。
多分、ほとんどのクラスメイトが思ってることだろう。
始業式を済ませて、今日は解散する。
明日からは普通に授業が始まる。
と言うより、今日の午後も部活はある。
久夜とお昼を食べるはずが、結局久夜と谷地島と久我くんと彼方と涼本君の6人で食べることになった。
……うるさいけど、楽しいし、いいかな、なんて思ってしまった。
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