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第一章~高校2年生・春~15
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「それでも、仕事とバスケは出来る二人だったからな。まだ良かったよ。」
「喧嘩さえしなかったらね~」
去年の夏にこの家の庭でバーベキューしたことを思い出す。
あの時は、喧嘩しだした閑流先輩と衿夜先輩に蒼先輩が怒って途中で出ていっちゃって、それを京介先輩が追いかけて……
仲直りしてたんだっけ。
「でもよく喧嘩するのに同じ高校来たってことは仲良いですよね?」
「本当は仲いいんだよ、あれでも。あいつら1年の時からよく喧嘩してたけど、家は隣の幼馴染で小中高って全部一緒って言ってたし。」
「バスケが強いってのはあるかもだけど、それでもわざわざ男子校揃って受験はしないかなぁ、俺だったら。」
「千先輩はどうして高藤選んだんですか?」
バスケが強いってことは八尋先輩は多分久夜と似たような理由で選んだと思うけど。
千先輩はどうしてなんだろう、前は吹奏楽部って言ってたし。
……俺は彼方から離れられればそれでよかった。
男子校を選んだことに特に意味はなくて、先生に勧められたからってだけ。
「俺?俺はね、出会いを探しに。」
「「え??」」
あ、またハモった。
「二人して固まらないでよ~」
「いつも思うけどその言い方が悪いんだよ。」
「嘘は言ってなくない?」
「はぁ……」
千先輩の笑顔に八尋先輩がため息をつく。
「俺ね、根っからのゲイなの。昔から男が好き。
だから男子校にきたの。いい人いたらいいなぁ~くらいの気持ちだったんだけどね。」
「……」
「………」
「ちょ、二人ともそんな引いた顔しないで?!」
「だからお前は言い方が悪いんだよ。」
そんな軽い気持ちできて八尋先輩と付き合うって中々に凄いんじゃ……?
だってきっと八尋先輩はノンケでしょ?
いや、俺も久夜と付き合うまでは女の子が好きだった……と思ってるけど。
それでも彼方とのこともあったしなんとも言えないや。
「いつ、付き合い始めたんです?」
「えーっと、1年のWC後に俺が八尋に告白したんだよね?」
「あぁ。答えたのは2年の始めだったけどな。」
「あの時の八尋の驚いた顔今でも覚えてる。」
「そりゃ誰でも男に告白されたら驚くだろ。」
「……でも八尋は慣れてる感じだったよ。だから無理かなって思ったんだけどね。」
「まぁ男に告白されたのはお前が初めてじゃないけど。」
「条件付きでオッケーされるとは思わなかったよね。」
「条件付き?」
「諦めてくれればいいなと思って結構きつめの条件だしたんだよ。俺としてはバスケの方が大事だったし。」
「それは伝わってきた。けど、俺多分皆が思ってる数十倍くらいは八尋のこと好きなんだよね。」
「外には出さないだけでな。」
「そうそう。」
………めちゃくちゃ盛大にノロケられてる。
確かに千先輩は淡白そうだけど、ここまで聞くとそうでもなさそうな。
中途半端な気持ちじゃやっぱり八尋先輩とは付き合えないんだな。うんうん。
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