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思いがけず
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※亮とモブ女性の性的な絡みあり(未遂)
その後、いつものように授業を終えて家路についた。
部員から「遊びに行かない?」と声をかけてもらったが、やっぱり今日はそんな気分にはなれなくて、「また今度誘って」と断った。
「ただいま」
…返事はない。家には誰もいないようだった。
玄関の靴を見てみると、兄ちゃんの靴はなかった。
何時頃帰ってくるんだろう。それまでに準備して、また触ってもらいたい。
今日は部活がある予定だったから、俺が先に帰ってきてるのを見たら驚くだろうな。靴箱の中に俺の靴は隠しておこう。それで、びっくりさせたい。
そんなことを考えながら、自室に行き、部屋着に着替えた。
一段落して、少し寝ようかなと思い始めたとき、がちゃりと鍵が開き、ドアが閉まる音がした。
「お邪魔しまぁす。…亮の家ってこんな感じなんだあ」
少し高い、女の人の声。
「おー。こっち、俺の部屋」
聞き慣れた兄ちゃんの、声も。
隣の部屋のドアが閉まる音がした。そこは、兄ちゃんの部屋だ。
「ほんとに誰もいないの?」
「ん、弟は部活だし親は仕事だからな」
「ふふ、やったあ。…2人きりだね♡」
「あぁ」
「ん、…ッ」
「ーーーーっ」
「ぁ、亮、そこ、きもちいい…」
勢いよく布団を被る。
なに、なんだこれ。声しか聞こえないけど、なんで。俺のことは、抱かないのに…。
目頭が熱くなる。涙が勝手に溢れてきて、止められない。悲しいのか、悔しいのかわからない。
女の子のほうがいいのかな、そうだよな。俺だって、兄ちゃん以外の同性に惹かれたことがない。惹かれたのは、兄ちゃんだから、兄ちゃんじゃなきゃ…
もう何も聞きたくなくて、考えたくなくて、目を瞑る。早くこんな地獄みたいな時間が終わればいい、早く、はやく。
しばらくそうしていると、戸惑ったような声が聞こえた。
「ん…亮、?」
「……」
「どうしたの…?っわ、」
「ごめん、もう帰ってくんね?」
兄ちゃんの冷たい声。
「え…」
「送るから」
「ーーーう、ううん、いいよ、こっちこそごめんね?じゃあまた、学校で」
バタバタバタと、人の足音が遠ざかっていく。
ドアが開いた音がして、すぐにバタン!としまった。
「は…」
どうしたんだろうか。
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