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あまい
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「…智哉…」
え?
俺の名前を呼ばれた気がした。
ドクドクと心臓の動きが早くなるのがわかる。
部屋を出て、兄ちゃんの部屋のドアの前に立つ。
意を決して、何も言わずにドアを開けた。
「兄ちゃん、」
兄ちゃんは、スマホ片手にベッドの上に座っていた。
少し重たい足を動かして、俺もベッドの上に座る。
「…は、なんでいんの」
「えっと…部活休みになって、兄ちゃん驚かそうと思って、靴、隠してた」
「……さっきの聞こえてた?」
「う、ん」
「顔真っ赤じゃん」
からかわれたように言われたけど、気にならなかった。兄ちゃんも少し、耳が赤かったから。
「ん…」
「適当に女子とヤろうと思ったけど、智哉のほうが可愛いなって思ってだめだった」
ニヤリと笑って衝撃的な発言をする。
「え、…ほんと?」
「ん」
「、うれしい」
泣きそうだ。顔を伏せる。
「…泣いたの?」
なのに、兄ちゃんの手によって顔を上げさせられる。
兄ちゃんの指が、俺の目元を撫でた。
「ぇ、あっ…これは、面白い動画見てて、笑いすぎただけ」
作り笑いをして、ごまかそうとする。
「ほんと?」
…その目で見られたら、嘘なんか、ごまかしなんか意味はない。
「ッ兄ちゃんが、俺には挿れないのに、女の人には挿れるのかなって…思って、ッひぐ、」
言葉にしたら、また辛くなって涙が出てきた。
「あー」
「ねぇ、兄ちゃん、おねがいッ、付き合ってなんて言わないから、一回だけほんとに抱いて、」
兄ちゃんに縋るようにして頼み込む。
「…んーーーーー」
兄ちゃんが俺の顔に触れたと思ったら、
「んっ、」
額や頬に、そして瞼の上にも、優しいキスをしてくれた。
「智哉は可愛い弟だからなあ」
兄の目をしている目の前の好きな人は、昨日俺にあんなことをした人と同一人物とは思えない。
「弟だからだめなの…?」
「んーまあ、バイブとかオモチャはともかく…な」
そこは別なんだ‥?
「でも、…こんだけ泣いちゃうくらい、ケツの穴でオナるくらい俺のこと好きなんだもんな?」
「ぅ、…ん」
顔を撫でられ、目を合わせる。
「一回くらいならいいかなあ」
「ーーっ!う、ん!」
思わず声が大きくなってしまった。
「ふは、なんだよその顔。いつものクールな智哉くんはどこ行ったんだ?」
「…兄ちゃんの前では、いつもこう、じゃん」
少しむっときて、恥ずかしくなった。
「んーそうだな、確かに。そこが可愛いんだよな」
「ん、ぅっ…」
兄ちゃんの端正な顔が近づいてきたと思ったら、唇に柔らかいものが触れた。
それが兄ちゃんの唇だって気づくと、どうしようもないくらい幸せな気持ちになって、もう、だめだった。
「…ぷぁっ、にい、ちゃ…」
少しの間くっつけていたけど、離れた瞬間寂しさがあふれる。
「智哉、キス好き?」
「うん、兄ちゃんにされることなら、なんでも好き…♡」
「ベタ惚れだな、そりゃ」
「っふ、ぅんん…ッ!ん、ん」
もう一度唇がくっついて、今度は兄ちゃんの舌が俺の唇をひらく。
舌と舌でまたチューして、少しざらざらした感触。気持ちいい。口の中の上も下も、舐められる。兄ちゃんのベロ、きもちいい…。
「ッは、ぁ…はぁ♡きもち、かったぁ」
「…キスすんの初めて?」
「ん、」
「じゃあ良いこと教えてやるよ、キスのときは鼻で息するんだ」
「ふぅん…じゃあ、練習するから、もっかいして」
「………今日はもう終わりな」
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