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僕の理不尽
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うん、僕が恋したところでじゃん。
どうにかなるわけでもなしに。
モヤモヤムカムカするくらいなら、寝てた方が良くない?
ほーら!涼!起きて!!
ん…?くお、ん?
羽山くん起きたよ!早く帰ろう!
バシ!と松崎くんが、氷崎くんの頭を叩く。氷崎くんの体がビクリと揺れて頭を上げた。俺、ねてた?!と目を大きくさせる氷崎くんに松崎くんがそうだよ、ばか!とまた叩く。なんだか、ほんとに兄弟みたいに、家族みたいに言い合いをする2人はなんだか、微笑ましい。そんでもって。
なか、いいなあ…
2人が同時に僕を見た。あ、え?声、漏れてた?慌てて口を塞ぐももう遅いらしい。氷崎くんは驚いた顔で、松崎くんは少し眉を顰めて。すごい、嫌そうな、顔。心臓から嫌な音がなる。嘘、ウソうそ!慌てて手を振って訂正。いや、ただ、羨ましくなっただけだ。僕には気軽に話せる人、いたことないから。友達すら、いるか微妙だから。曖昧に笑って、割愛しつつ、言う。そういえば、松崎くんは可愛い顔に戻って、そっか。と一言。
大丈夫だよ!たぶん、羽山くんにも仲のいい人できるよ〜!ね!涼!
とん。と松崎くんは同意を求めるように、氷崎くんを軽く叩いた。どこかにトリップしていたような、氷崎くんはえ、え?といいつつも頷く。
そうだな!てか、俺らといればいいじゃん。な!
は?
笑顔が眩しい氷崎くんに対して、ぽろっと一言漏れた松崎くんの顔は段々と険しくなっていく。氷崎くんのことを睨んだのは一瞬で、次の瞬間には僕を睨んでいた。なんで、僕…!もう松崎くんに睨まれるのが嫌で、遠慮しとくよ、と言えば氷崎くんはなんで?と言う顔をする。
そうだよ、俺らといれば?
松崎くんの顔が笑顔になる。けど、引き攣ってる。心臓が嫌なくらい、うるさい。無理矢理言葉を発したら喉がなくなっちゃいそうなくらい、ヒリヒリと痛い。断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ、と松崎くんの目が訴える。ひ、と喉が引きつって、どうしようもなくなって、僕は首を横に振ろうとした。目だけでも逃げようと思って視線を彷徨わせる。と、その視界に氷崎くんが入った。
気付けば、頷いていたのだ。
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