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僕と氷崎くん
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ふと、我に返る。
「羽山?」
氷崎くんが僕のことを心配そうな顔で見ていた。そんな、長い時間トリップしてたかな。大丈夫、と返事をしてお弁当に箸を伸ばす。うん、美味しい。今、ウィンナーを食べたから、えーと、次はじゃあ卵焼きで。黄色い物体に手を伸ばしながら氷崎くんを見る。
安定のメロンパン2個だ。氷崎くんはメロンパンが大好きらしく、僕は一緒にご飯を食べ始めてから氷崎くんがメロンパン以外のものを食べてるのを見たことがない。
「そーいや、羽山、土曜暇?」
「土曜日?」
「そ。一緒出掛けない?俺、新しい靴と、あのめっちゃCMあってるアクション映画みたくて!」
「あ、え、松崎くんは?」
「俺、デート」
「あ、そっか…え、あ、うん…暇だよ」
じゃあ決まりな!と氷崎くんが笑った。松崎くんはデートか。そっか。じゃあ、氷崎くんと2人か。なんだか嬉しい。あれかな。僕を邪険にする松崎くんがいないからかな。にやける口を隠すようにご飯を放り込む。なんだか、倍美味しくて。
「細かいことは後で決めような!もうすぐ、チャイムなるし」
笑った氷崎くんが残り一口のメロンパンを飲み込んだ。僕も慌ててご飯を掻き込む。
…はやく、週末にならないかなあ。
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