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そのご。
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自覚してからはなんだかもう顔も見れなくなって。まだ遊ぶ?って言葉に頷きたかったけど、これ以上一緒にいたらボロが出ちゃいそうで、慌てて首を振った。そっか、と笑った氷崎くんに、また見とれながら、僕はこのまま言わなくていいや。と思った。
この関係を続けていけたらいい、
それだけで、きっと僕は幸せだ。
後少し、一緒いられる。寂しいけれど、あんまり一緒にいすぎたらバレちゃう可能性があるから早く帰りたい。僕自身は徒歩で帰れる距離だから、氷崎くんを見送るために2人で駅まで向かう。モールから駅までは、昼間はいいんだけれど、街灯が少なくて、ちょっと怖い。遠すぎる間隔でボヤァと元気なく頑張ってる街灯があるだけだ。
「月曜までの課題やった?」
「うん、後少しだよ」
なんてことない話をしながら、ゆっくりと歩く。僕の歩調に合わせてくれる、氷崎くんは優しい。
ただ、次の瞬間僕の方を見て、笑っていた氷崎くんがピタリとその笑顔を固めた。足も止まる。僕はゆったりと首を傾けた。
「どうしたの?氷崎くん」
「…、」
氷崎くんは答えない。僕を見ているわけじゃない。目が合わないから。氷崎くん、どうしたの。僕の後ろにあるのは路地裏だけだ。僕は見るのが怖くてゆったりと後ろを向いた。
「、」
松崎くんだ。翔さんだ。
ボヤァとやる気のない街灯がいまだけスポットライトに見えた。幸せそうな顔を浮かべて2人が笑い合う。そして、どちらからともなく、顔を近付ける。距離がゼロになって。そして。
2人はキスをしていた。暗闇の中、スポットライトの当たる場所で。
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