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ヒロインについて
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「僕ね自慢じゃないけど、すきです!付き合ってください!みたいな告白したことないんだよねぇー」
へらへらといつもの調子で喋ると
上江は、何言ってんだこいつ、と複雑そうに眉根を寄せてくる。
「フラれたら絶対に絶対に立ち直れない、自信があるッ」
「何の話ですか?」
「だからさ、真面目に告った事ないから
それで断られたら恋愛恐怖症になると思うんだな。うん」
自分で頷きながらもそっと手を離してくる上江を見つめた。
彼は何かを考えるように俯き、やがてこちらを睨んできた。
「...........もしかして、脅してますか?」
美味しいところだけを摘んで逃げ回っていたから
同じような人間やどこか許してくれそうな人に近寄っていた。
許して欲しいような態度で。
でも上江は違う。
本気だから、きっと許さない。
そんなものに、勝てるわけがない。
事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもので
多分これから先どれだけの美女を抱いても
彼の美しさは表現できない。
「脅してない...って言ったら嘘になるけどさ
でも、僕の小説なんかでは全然釣り合い取れないって
...やっぱ僕にはカミエちゃんは書けないから」
「え...?だって....誘惑マリッジ....」
やはり彼は誘惑マリッジのことが引っかかっていたらしい。
そういう所が無性に可愛く思えてしまうのだが
酷く申し訳ない気もした。
せっかく嬉しいと言ってくれたのに、
結局自分は彼を表現出来る術を持たずにまた逃げた。
「あれはねぇ、ミルキーちゃんだよ」
「は?誰?」
「ミルキーちゃん。猫。」
代わりに猫を書いてしまっただなんて自分で言っていて虚しくなるが
上江は目を見開き、なんとも言えない状況で
畳の目を数えるように俯いていた。
「猫」
ぽつりと呟き、
やがて彼はみるみるうちに顔を真っ赤に染め上げた。
うわー。やばい。これはやばい。萌える。
會下はそう思いながらも彼も触れようと手を伸ばした矢先、上江に強く弾かれてしまった。
「はぁあああ?!!!!!」
「うん...ごめん」
ある程度確保して弾かれた手で殴られそうなのをガードしているが
いつまでたっても攻撃が来ない。
「.....なんだよ....じゃあ、俺は......」
上江は脱力したようにへたり込んだまま、
両手で顔を覆っていた。
「バカみたいだ...」
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