アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
辞めるって、それはないでしょう!
-
會下は彼の涙を指先で拭いながら、
静止画のように止まってしまった上江の唇を奪った。
「......ちゅうしちゃうぞ」
そう言いながら、ちゅ、ちゅ、と繰り返すと
やがて上江に唇を手で塞がれてしまった。
「もうしてるでしょうが」
「ご名答」
「...先生、何言ってるかわかってるんですか」
「ええそりゃもう。いやーまさかこんな日が来るとはなぁ
ははっはー天下の會下詠慈が廃業とは...。これから何しよう」
「ざけんなよ...」
上江は静かに呟いて、やがて凄まじい形相で睨んできた。
「誰が辞めさせるかよ......」
低い声で言われ、その凄みにぞくっと背中が震えた。
いや、普通に怖い。
「でもほら、あの、正直初めての本気の恋が惨敗だともうそれどころじゃないっていうか..」
「惨敗じゃない..」
「ん?どういうこと?」
「......。」
上江は黙っていたが、やがて泣きそうな顔をして立ち上がった。
いつもきっちりきこなしているスーツがシワシワになっていて
彼は両手を握り締めてこちらを睨んでくる。
「知ってるくせに..先生のバカ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 46