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「…これはどういう状況デスカ?」
新の相棒として有名な近江秋(おうみしゅう)は親友と見知らぬ男子生徒がスヤスヤと眠るその光景に思わず敬語になった。
え、ちょっと待て。アレは俺の親友か?真瀬の寝顔なんて、ましてや一緒に誰かと寝てるとこなんて見たことねぇぞ?
幻か、と秋はゴシゴシと目を擦ってみる。しかし状況は変わらず。呆然と佇む秋を横目に、宮緒はのそりと顔を上げる。秋の気配に起きたのだ。
「…俺のダチだ」
新はそう言って起き上がろうとする宮緒を抱え込む。また木の根元へと戻った宮緒はチラリと秋を見てからまた目を閉じた。そこで我に返った秋はペシリと新の頭を軽くはたいた。
「起きろっつーの!」
新は不機嫌そうに秋を見る。秋の声で完全に目が醒めた宮緒がくぁ、と欠伸を漏らした。起き上がる宮緒に合わせて新も体を起こす。
あぐらを組む新の足の間に宮緒がちょこんと乗る。後ろから抱きしめて満足そうに笑んだ新に秋は更に衝撃を受けた。
「真瀬が笑った…」
魂が抜けたような秋に新は聞く。
「何の用だ、近江」
「いや、放課後になったから呼びに来たんだけど」
放課後、という単語を耳にして、両手で目を擦っていた宮緒はピクリと顔を上げた。そして宮緒はおもむろに立ち上がり、新に背を向けて歩き始めた。「?」を頭上に飛ばす新と秋に、くるりと振り返り無表情のまま口を開く。
「…用事、あるから」
再び背を向けた宮緒はふらりとその場からいなくなった。残された二人はポカンとして見送る。
「あの子、もしかして猫姫か?」
「知っているのか」
「一年A組のトップだったと。でもあの子が?」
どう見ても強そうには見えない。と秋は首を傾げる。
「でも黒髪の子だって聞いたから多分そうだと思うんだけど」
「へぇ」
新は聞きそびれた先ほどの少年の情報にあくどい笑みを浮かべた。
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