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しかし新は本当に分かっているのか疑っている。仕方がないことだろう。あまりにもアッサリ了承されたのだ。新が言うのもなんだが、会って二日目である。良い返事など期待するわけがない。
「本当に良いのか?」
「うん」
「…俺の事好きなのか?恋愛対象として」
宮緒は「レンアイ?」と可愛らしく首を傾げた。
「分からないけど、新の隣は幸せになれるよ」
宮緒は言う。今までの感覚にはなくて上手く言い表せない。だが心から温まるような、ふわふわした気持ちになるのは新にだけ。宮緒は胸に手を当てて知らずの内に微笑んだ。
その可愛らしい笑みを直視してしまった新はたまらずに抱きしめた。意外に華奢なその体に負担がかからないように優しく、しかし強く抱き込む。
「新?」
キョトンと宮緒は新を見上げた。苦しくはないが、その行動の意図が分からずもそりと体を捩る。だがますます強くなる腕の力に困り果てた。
嫌ではない。嫌ならこの腕から抜け出す方法など幾つも知っている。だけどそれをしないのは、その腕の中が心地良いからで。離れるのには惜しいと思う自分に、宮緒は思考の端で気づいていた。触れ合っているところからじわりと体温が馴染む。
ポカポカと、体だけではなく心も温まるような気がして、余計に離れたくなくなった。それは、宮緒だけではなく新も同じで。
「…離したくねぇ」
ポツリと新は呟いた。呟きを拾った宮緒は同意するように、新の広く厚い胸板に頬をすり寄せた。
「離さないで」
縋るような声を出した宮緒に新は驚きに目を瞠る。しかしすぐに笑みを浮かべ、言う。
「…ああ、離さない」
「離せない」のかもしれない、と心中で笑った。青空の下で、二人の影がひたすら重なっていた。
end.
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