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「ちょっと見てくるわ」
そう言ってそらるさんは僕の頭をくしゃっとなでてから立ち上がった
スタスタと歩いてガラッと勢いよくドアを開けた
「特に何も……ん?」
「ど、どうしたんですか?」
そらるさんは奥に入っていってしまってリビングからは見えない
「…わっ!ちょっと、暴れるなよ…」
何がいるんだ……!!
また涙が出そうになる
「よしよし、そう大人しくしていてくれ」
そして、そらるさんが寝室から出てきた
腕に猫を抱えて…
「ぅ…ねこ?」
にゃー
可愛く猫が鳴く
「こいつが、ベランダに居たんだよ。外に置いてある植木鉢が倒れてたから、一回目の音は猫がベランダに降りた音で、二回目の音が植木鉢の倒れた音だったんだろうな」
「よかったぁ…」
「天月、この猫に見覚えは?」
「んー…お隣さんのナナちゃんに似ているような…?」
「じゃあ、聞いてみるか」
ピーンポーン
「はい?どちら様?」
年配の上品な女性が出てきた
「隣の家の者です。お宅のナナちゃんらしき猫が家のベランダに迷い込んでいたのですが…」
そう言ってそらるさんの抱いている猫を見せる
「まぁナナちゃん!」
にゃー
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
そらるさんから丁寧にナナちゃんを受け取り頭を下げるお隣さん
「いえいえ、お気になさらないでください」
「ありがとうございます。あっ、そうそう。ちょっと待ってくださいな」
「はい?」
お隣さんは家の中に入って、何かを持って出てきた
「いただきものなんですけれど、お二人でお食べになって?」
「そんな、悪いです」
物を貰うほどのことはしていないから断る
「4つ頂いたんですけど、家は私と主人だけで2つも食べられないので貰ってくださいな」
そう言って、貰ってしまった
うちに戻ってきて、貰ったものを見てみると有名ケーキ店の濃厚プリンだった
「わぁ、プリンだ!」
年甲斐もなく喜んでしまう
「良かったな」
そらるさんが微笑んで言う
「はい!そらるさん、食べましょう!」
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