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傷
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思いの強い傷は一生残る。
思いが強ければ強いほどそれは忌々しい形をしいて、目につくところに居座り苦しむ私を見て笑っているようにも見える。
と、どこかの漫画か小説で読んだことがある。
最初にボールペンをぶっ刺した左手の甲には未だにあの時と変わらない傷がある。
かれこれ、19年の付き合いだ。
他の傷は薄れていくのにこの傷は薄まるどころかあの時と変わらない顔をしてこっちを見ている。
本当、やなやつ。
最初彼は傷を見て驚いていたが何も言わずにそっと側にいてくれる。
時に撫でて、時にキスをして、まるでその時の僕も愛おしいかのように接してくれる。
そうゆう時むず痒くてどうしたらいいのか分からなくて困る。
恋愛なんて久しぶりだし、愛の返し方もわからない。
僕ばかりいい思いをしてるんじゃないだろうか。
一緒にいて辛くはないのか?
一緒にいて楽しいはずなのに、ふと我に帰るとこんなことばかり考えてる。
甘やかしてくれて、甘えてくれて、たくさん触れ合って嬉しい筈なのに、どうしたらいいか分からなくて不安。
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