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精神安定剤
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お泊りるんるん…で終わるはずがなく。
一緒に美味しいご飯食べて、お風呂入って、のんびり晩酌タイムしてやって、一緒に寝て、最高の夜だった。
のに、今僕は涙が止まらない。
それはやな夢を見たから。
彼の腕の中で自身の体で携帯の光を隠しながらこれを打ってる。
夢って見た後曖昧になったりするが、今日のは涙が出るくらい鮮明に覚えている。
「おい!!!」
大っ嫌いなお父さんの声。
「お前は馬鹿か?なんでそんなこともできねんだよ」
顔の近くに投げられた皿が割れて飛んできた破片で頬が切れた。
「ご、ごめんなー」
「あぁ?何度も言ったよな?ここでは俺がルールなんだよ」
「はい」
「お前、いつでも出てっていいから。てか、いらねーから。金だけかかってしょーがねな」
「は…い、」
絞り出した声はまた罵声で消される。
その繰り返し。
親って子どもにとっては唯一安心できる存在だと思う。
でも、その親にいらないと、出てげと言われた僕はどーすればいい?
あのとき、逃げ出せばよかったのか、小学生の餓鬼にできることなんて限られてる。
泣きながら変に冷静な頭で悲しいとか憎いとか思いながら一人では生活できないと知ってたから、ただ機嫌がこれ以上悪くならないように返事をして謝って、叩かれて蹴られて。
ねぇ、本当に悲しんだよ。
痛いんだよ。ただ、殴られるよりずっと。
お父さんに殴られることが、いらないと言われる事が本当に悲しんだよ。
ここまで伝えられずに来てしまった。
授業で習った。
虐待する親は自分もされてきたのだと。
だから愛し方が分からず手が出たり、放置(ネグレクト)してしまうのだと。
それを聞いたとき男で、男が好きでよかったと思った。
子どもは大好き。
でも、僕も自分の子をきちんと愛せる自信がない。
ちゃんと育ててあげる自信がない。
久しぶりの悪夢に怖くて涙が止まらない。
こうなった時に自分でなんとかしたいのにできない。
ぐちゃぐちゃな心のまま、どこまでも落ちていく。
朝までもう少し。
彼の手を少しだけ握って落ち着かないと。
彼が一番の精神安定剤、味方になってくれる。
*お泊りの日に書いてはいたのですが、アップし忘れていたので今あげますw
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