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同時に、蠢く物体が再び襲い掛かる。
「ひっ…!」
「****」
───パァン!!
けれど、口早に何かを唱えた声と共に薄紫色の膜が現れ、その攻撃は塞がれた。
…いや、塞ぐというより触れた瞬間弾け飛んだようにも見えた。
繰り出される攻撃を彼は何度も凌ぐ。
その度に破裂音が鳴り響いた。
「アハハッ!どうしたの?いつもみたいに遊ぼうよ!」
「くっ…」
声高に声を上げて嗤う男の視線に、俺は漸く気が付いた。
(俺がいるから…?)
俺がここにいるから彼が思うように動けないのではないか?
「────…っ!」
笑う膝を殴る。
動け。自分の脚だろ。
何が起きているのかまだよく分かっていないけれど、彼は見ず知らずの俺を助けてくれた。
だから、頼む。
頼むから…
「動け!」
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