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正直、今でも現実味はない。
余りに現実離れし過ぎていて、夢でも見ていたのだろうかと何度思った事か。
だが、いくら信じられないと思おうとも、俺は確かにこの目で見たのだ。恐怖を…感じたのだ。
あの無慈悲な赤い瞳を思い出すと、それらが鮮明に蘇ってくる。
この震えを到底夢だとは思えなかった。
ん? あれ…この紙この前見た時はもうちょっと汚れてたような…
「お疲れ様。久住くん」
「おう。どうしたんだ、そんな難しい顔して」
「あ、いえ。お疲れ様です! 吉田さんと山田さんも休憩ですか?」
2人から隠すように、急いで紙を手帳にしまう。
「かー! 全く、こう暑くっちゃ外掃除は嫌になるわ。ああ、冷えたビールが飲みたい」
「同感です」
この2人は俺の先輩方で、入った当初から何かと良くして貰っていた。
恰幅(かっぷく)の良い山田さんが汗を拭いながらどっかりとパイプ椅子に座ると、それに続いて吉田さんもゆっくりと細身の身体を落ち着かせた。
「ビールは無いですけど、よーく冷えたお茶なら有りますよ」
「お、気が利くじゃないか」
「ありがとうね、久住くん」
「いえ」
その会話に苦笑しながら冷蔵庫から取り出したペットボトルを2人に手渡した。
『──次のニュースです』
3人で歓談していると不意に流しっぱなしのテレビの音が耳に入る。
何とはなしにそちらへと意識を向けた。
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