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「…よっし、終わったー!」
最後のゴミ袋をトラックで回収に来た山田さんと積み終えて、伝う汗を首に掛けたタオルで拭う。
「お疲れ。今日はもうそのまま直帰して良いとさ」
「分かりました」
「気を付けて帰れよ」
「お疲れ様でした!」
回収車が曲がり角に消えたのを見届けて、帰ろうと踵を返す。
喉渇いたな…
汗でベタつく身体を早くスッキリさせたいという思いもあるが、如何せん暑い。
しかも目と鼻の先にある自販機と目が合ってしまった。
「ちょっと休憩して帰っても、良いよね?」
ルンルンとタッチパネルを操作し、端末を機械に押し付ける。
出てきたスポーツ飲料を持って、公園内に戻る。
そうして、さあベンチに腰掛けようとした時だった。
…あれ? あんな所にベンチなんて有ったっけ?
入り口から遠く離れた場所。
あの辺りも清掃したはずだが、思い返してみてもそこにベンチが有ったかどうか何故か記憶が定かではない。
有ったような、無かったような…
まあ集中していたし、きっと見落としていたのだろうと自分の中で結論付ける。
そこは自分が座ろうとしていた場所よりも木陰が掛かっていて、ここよりかは涼めそうだった。
やはり、あちらに座ろうと腰を上げ、その木陰の中に足を踏み入れた。
その時だった。
「…え?」
つい今の今まで誰もいなかったベンチ。
そのベンチの上に、誰か寝転んでいる姿が突然目の前に現れた。
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