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「さっさと言え」と急かされても、いざ聞けるとなると迷ってしまう。
けれど、意を決して聞いてみた。
「あの晩、俺を襲ったものは何? 君は…一体何者なの?」
「………………」
「あれ…もしかして聞いちゃいけない質問だった?」
「いや、至極真っ当な疑問じゃな。答えられん事はない。
…ないが、お主あれを現実だと受け入れるのか」
「え? んー…受け入れた訳じゃないけど、でも実際にこの目で見ちゃったし、もう信じるしかないかなって」
「ただの阿呆ではないという訳か」
「そ、そんなアホアホ連呼しなくても…」
「たわけめ」
「それランクアップしたの? 下がったの?」
「……………」
「あ、はい、ごめんなさい…!」
ギロリと睨まれて、慌てて口を噤む。
そんな俺を一瞥してから、彼──八代君は話し始めた。
「お主を襲うたあれは、文字通り『化け物』じゃ。それを操っていた男も同様にの」
「…人間じゃないって事?」
「肉体は人間じゃ。…いや、人間『だった』と言うた方が正しいじゃろうな」
「だった?」
その言い方に疑問を覚えると、八代君は言葉を選ぶようにゆっくりと口を開いた。
「宗介、というたな。お主、
神を信じるか?」
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