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「ここまで理解できたか」
「も、もの凄く混乱してます…」
取りあえず、八代君が妙に古風な喋り方をするのは神様の使い(?)的なもので、尚且つ500年は存在してらっしゃるからという事で良いのだろうか?
「じゃろうな。突然こんな世迷い事を信じよと言う方が土台無理な話。その思考は正しい。
…まあ、もっとも、その世迷い事を信じてしまう程の阿呆らしいからの。お主は」
うーんうんと頭を整理しようと頭を抱えていると、テシッと太腿に何かが乗せられた感覚がした。
見ると、「大丈夫?」とまるで心配するかのような円らな瞳が見上げていた。
かわ…っ、可愛い!!
キュキューンとハートを盛大に撃ち抜かれる。
「…お主、猫が好きか」
「うん。動物が好きで、特に猫には目がなくて」
おりゃおりゃと腹を見せる猫の腹をマッサージする。
「驚いたの。こやつらがこうも簡単に懐くとは」
「え?」
「何を驚いておる。お主に貸した猫も札(ふだ)に戻ったじゃろう」
「あ!」
急いでポケットを漁り、手帳から紙を取り出す。
「そうだよこれ!あの後、紙になっちゃったんだけど…大丈夫かな?」
差し出すように八代君に見せると、彼は一瞬訝しげに眉を寄せてみせた。
しかし、彼は「やる」と言って受け取らなかった。
仕方なしにまた手帳にそれを戻す。
「こやつらはワシの式神じゃ。ワシの創造神は猫を使いとしておる。
その霊魂をこの札を依り代(よりしろ)とする事でこの世に顕現させる事が出来る」
「…………そんな漫画みたいな事が」
「あるから今こうしてお主の目の前にあるのじゃろうが」
「そ、そうですよねぇ…」
「とは言うても、基本は現世の猫とそう変わらん」
チラリと周りにいる猫たちに目を向ける。
そんな話を聞かされても尚、思い思いの行動をとるその様に
可愛いという感想以外浮かんでこないのだから
宗介は自分で自分を相当な猫バカだなと思ったのだった。
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