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ポタリと、頬に生温かい何かが落ちた。
恐る恐る目を開ければ、そこには自分のものではない掌が。
「どうした、お主らしくない殺し方じゃな」
「…ちょっとね。イラッときちゃってさ」
「ほお、珍しい事もあるものじゃ」
カッと閃光が走る。思わず目を瞑った俺の身体はまたもや宙に浮く感覚に晒された。
そして気が付いた時には、身体の拘束は解かれ、フード姿の彼の背に庇われるような形で石畳の参道に降ろされていた。
「ゲホッ、ゴホゴホッ…やつ、しろ、く…」
思い出したように肺が空気を取り込み始める。咽(むせ)ながらも何とか彼の名を呼んだ。
「…………」
けれど、ちらりとだけ俺を見て、八代君はまた男の方へ視線を戻した。
「八代?…ってもしかして君の事?」
「…そうじゃ」
「へえーぇ?
…あ、そうだ。じゃあぼくも九重(ここのえ)って名乗ろうかな。どうかな?似合う?」
先ほどまでの態度が嘘のように、コロッと態度を変え、男――九重は上機嫌に八代君に絡み始めた。
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