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「―――…!」
今のは…
「ゆ、め?」
乱れた息に、びっしょりと汗を掻いている身体。
まるで悪夢を見た後のような感覚に、何だったのだろうと先程の夢を思い出す。
知らない人の声。けれど、凄く悲しそうだった。
心が引き裂かれてしまいそうなくらい、胸が痛んで、泣きたいのに泣けなくて。
ただただ苦しかった。
「なんで、あんな夢…」
はぁと溜め息を吐いて、左腕を動かそうとすると
「! いぃったあ…!」
左肩を襲った鋭い痛みに思わず涙目になる。
「何でこんな怪我…」
刹那、記憶がフラッシュバックする。
そうだ。確か自分は襲われたのだ。
気を失ってしまってからの記憶が無い。あの後どうなったのだろうか。
「八代君!」
「煩い。そのように叫ばずとも聞こえておるわ」
慌てて飛び起きようとしたと同時に聞こえた声。だが肝心のその姿が見当たらない。
一体どこから声がしたのか疑問を頭に浮かべていると、それは直ぐに開いていた窓からやって来た。
「ようやっと起きたか」
そこでまたある事に気が付く。
「ここって…俺の、家?」
しかも上半身は裸である。そして手当てが施されている肩に、寝かされていた布団。
これらの事から導き出される答えはただ一つ。
八代君が…?
「熱は…下がったようじゃな」
頭を鷲掴みするように額に手を当てられる。
ぶっきらぼうなやり方だけど、心配してくれていたらしい事は分かった。
「…何を笑っておる」
「え?」
「熱で更に阿呆になったか」
「いやいやそうじゃなくて」
訝しげに寄せられる眉に、思わずまた笑ってしまった。
「無事で良かったって思って」
「……は?」
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