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外に出た…いや、正確にはアパートの敷地を出た瞬間から。
目の前に現れたその景色に、ゴシゴシと目を擦る。
「あれらがお主らの言うところの『幽霊』じゃ」
「幽霊? …あれが!?」
知らされた真実に驚愕する。
白いふよふよとした、火の玉のような物体があちらこちらでチラホラと浮かんでいる。
あれでは幽霊というより…
「だってあれどう見ても人魂だよ!?」
「だから、そうじゃと言うておる」
「だって幽霊ってもっとこう…!」
「人型じゃと?」
ぶんぶんと激しく頷く。
「こちらではそれが一般的じゃろうな。しかし、完全に間違っておるという訳でもない」
「え?」
間違いではないとはどういう意味なのだろう。
「この世の者は魂と肉体から成ると前に話したな」
「う、うん。死んだ時にあの世に行かずにこの世に不正に滞在してる魂が幽霊なんだよね?」
「そうじゃ。しかし、肉体を失った魂がこの世に長く留まれるかというと、そうではない」
「え…どうして?」
「生命としてエネルギーが得られんからじゃ。肉体と魂、その両方が揃って初めて、この世に存在する事ができる」
「でも今視えてる人達ってもう体がないんだよね?」
ちらちと浮かんでいる人魂を見やる。
それだと体が無くなってしまった時点で存在できないという事ではないのだろうか。
「存在出来なくなるというよりは、存在し続けるのが難しくなると言うた方が正しい」
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