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ココロチラリ その後 #57
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「じゃ、行ってくる。」
「うん。いってらっしゃい。」
おいらは修君の唇に、軽く唇を当てる。
「早く帰ってきてね。」
修君がおいらの顔をじっと見て、ぎゅっと抱きしめてくれる。
「修君……。」
修君の匂いがおいらを包むと、それだけで昨日の夜のことを思い出す……。
昨日っていうか……今朝だけど……。
思い出しただけで、体の奥が疼くような気がする。
おいら……スケベだ。
「どうしたの?顔が赤いよ。」
修君が首を傾げて、おいらの顔を念入りに確認する。
「大丈夫……。」
おでこにおでこを重ねながら、修君は心配そうにおいらの首筋を触る。
「熱は……ないみたいだけど……。」
「だ、大丈夫だから……。」
おいらは修君の顔を引き離し、心配する修君を眉を八の字にして見上げる。
「熱とかじゃなくて……昨日の……思い出しただけだから……。」
おいらが下を向いてそうつぶやくと、
修君は、苦しいくらいぎゅっとおいらを抱きしめる。
「思い出して……したくなった?」
そう言いながら、修君が腰を押し付けてくる。
「やだ。修君!」
おいらが修君の胸を押しやると、修君は笑いながらおいらの腕を掴む。
「体……無理しないでね。」
掴んだ腕を引っ張って、修君が耳元でささやく。
「んふふ。大丈夫だよ。今日は午後から行くって田村さんにも言ってあるから。
ちょっとゆっくりできるし。それより修君の方が大変。」
「俺は全然。できることなら仕事に行かないで、まだ智と繋がっていたいくらいだよ。」
「しゅ、修君!」
おいらは赤くなる顔を必死で抑え、修君の体を引き離す。
それを力でグッと引き込む修君。
「智……昨日も可愛かった……。」
「やめ……。」
おいらがそれでも修君の胸を押して引き離そうとすると、おいらの腰を引き寄せ、
甘い言葉を続ける修君。
「もっと普段から欲しがってもいいのに……。」
「しゅ……。」
おいらは修君から顔を背け、背中を反らせて抵抗する。
修君は笑っておいらの耳元でささやき続ける。
「ほら、もう反応してる……。」
修君が腰を重ねて少し動かす。
「修君!」
おいらが動けずにいると、さらに耳たぶを甘噛みする。
「あんっ……。」
「こんな風に入れたい……。」
修君の舌がおいらの耳の中に入ってくる。
ゾワワッと耳に侵入してくる生ぬるいもの……。
それが耳の中でグルッと動く。
「あ……ああんっ……。」
修君は舌を引き抜き、耳たぶに唇をつけたまま話す。
「いい声………俺を誘ってる?」
「違っ!」
「智……。」
修君はまたおいらの唇に迫ってくる。
「修君、遅刻!」
「今日、仕事行くのやめる……。」
修君がおいらの腰と顔を固定する。
「修君!会社になんて言うの!」
「そんなの、仮病でもなんでも……。
もう、智の紹介も済ませたし、正直に智とセック……。」
おいらは修君のおでこにグーパンチする。
「修君!」
おいらが大きな声で怒ると、おでこを抑えながら修君が笑う。
「もう、そんな反応まで可愛いんだから智は~。」
おいらを抱きしめて頬を頬でグリグリする。
「本当に、できることなら智を小さくして、ポケットに入れて連れて歩きたいよ。
一分一秒離れていたくない……。」
「修君、仕事!そんなんじゃ、会社のみんなに悪くて……一緒に暮らせないよ!」
おいらが本当に困って修君を見ると、唇を尖らせて修君がおいらを見つめる。
「それは困る……。」
「じゃ、ちゃんと会社に行って。家だって買ったのに。」
「そうだけど……。」
「帰り、個展会場に来て?一緒に帰ろう?ね?」
「ん……仕方ない。それを励みにがんばって仕事してくるよ。」
「うん。」
おいらがにっこり笑うと、修君は観念しておいらから離れる。
「じゃ、最後にキスして?」
「ん。」
おいらは修君の唇に唇を当てる。
「もっとちゃんと。」
「ん……。」
おいらは唇を当て、少し唇を尖らせてチュッと音をさせる。
「もっと本格的に。」
「うん……。」
おいらは唇を当て、少し舌を入れ、修君の舌を探す。
修君の舌はすぐに見つかって、おいらの舌に絡みつく。
「ん……んっ……ぁんっ…………は…ぁ……。」
修君の手に力がこもり、より唇が密着する。
「はぁ……しゅ……く……。」
リップ音と唾液の音が耳をくすぐる。
「ダ…メ……。」
修君の甘いキスは蕩けるようで、おいらを飲み込んでいく……。
って、ダメじゃん!
「ダメ!」
おいらは必死で抵抗して修君から離れる。
「修君!ずるい!」
修君は笑っておいらの頬を指で撫でる。
「智だってその気になってたじゃない。」
「もう、朝、いってらっしゃいのチューしないから!」
修君の顔が八の字に下がって、情けない顔になる。
「そんなの困るよ!」
「だったらちゃんと仕事行って!」
おいらが眉を上げて口を一文字に結ぶ。
「……わかったよ……。」
修君は仕方なさそうにおいらに背を向け、ドアを開ける。
なで肩がさらに下がって見える。
「いってらっしゃい。帰り、待ってるね。」
修君が半分、外に出ながら振り返る。
「智……。」
戻って来そうな修君を両手で押して外に出す。
「いってらっしゃ~い。」
おいらがにっこり笑うと、情けない顔のまま修君の顔がドアの向こうに消えた。
「はぁ、全く修君は……。」
おいらはゆっくり歩いて寝室に向かう。
シーツの洗濯……今日は念入りにしないと。
歩く度、響くお尻を押さえながら、体中の筋肉痛を我慢して、
おいらはベッドからシーツを剥がす。
「こんな調子で、おじいさん……大丈夫なのかな?」
今朝の修君に一抹の不安を感じたけど、
個展が終わる2週間後、おいら達は修君の田舎に行くことになっていた。
「修君のおじいさん……どんな人かな?」
おいらはゆっくりシーツを丸めて、寝室を後にした。
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