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白藤王
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「………ダメだ、全ッ然落ち着かねぇ」
屋上で仰向きに寝転がりながら空を眺めるが、今だに思考がぐちゃぐちゃのままだ。
パニックになってるせいで、下の方は取りあえず落ち着いたんだが………。
あの時、俺、結構ノリノリだったよな…
新しい扉、開ひらいちゃったのか………?
俺に寄りかかって眠ったときの氷鉋さんの顔!!
ありゃ彫刻かと思ったぜ………
はっ!
そう言えば、氷鉋さんのを触ったっきり俺の右手はそのままだ。
「………とにかく、手ぇ洗うか」
トイレに向かおうとその場を立ったとき、丁度屋上に上がってくる人影がいた。
「こんにちは」
そいつはあからさまに外面の笑顔で俺に微笑む。
声は透き通り、身なりもキッチリとしていてシャツの第一ボタンまで止めてある。
ネクタイの色からするに一つ上の三年生だろう。
どちらかといえば中性的な顔立ちで、氷鉋さんと似たような雰囲気だ。
んー、何て言うか、「エロくないバージョンの氷鉋さん」だな。
「こんにちは」
俺も挨拶を返すが、それ以上話す気もないので屋上を出ようとすると、素敵な笑顔のまま話し掛けられた。
「もしかしてサボり?」
「まぁ…そんなとこっす」
「そうだ、僕とお話しようよ。僕もサボりなんだ。」
「すんません、俺トイレに行こうと…」
「えー、じゃ僕も付いていこっかなー」
「!?」
「冗談だってば、そんな驚かなくても」
その人はおかしそうに笑うと、髪の毛を耳にかけてから俺の隣へ座る。
「名前はなんていうのかな?」
「皆川圭哉です。そっち………そ、そちらは?」
「僕は白藤王。よろしくね?」
「よろしくお願いします。」
白藤?どっかで聞いたことあるような気がするんだよなぁ…。
そう、確か文化祭とか、体育祭とか、朝礼で…。
「一応、ここの生徒会長してるから覚えててくれると嬉しいな。」
「あ、そうなんですか~、通りで気高い雰囲気だと………………って生徒会長が屋上でサボりかよ!?」
「生徒会長だって黄昏を楽しみたい時はあるんだよ…」
黄昏って…今は一時間目なんですが。
とは口に出さずに、どういう返答をすべきか迷いながら苦笑いを向ける。
「はは…。」
「皆川君こそ、あれだけ毎回行事で顔を出してるのに僕の事がわからないなんて、余程話を聞いていないんだね。」
ジロリと横目に見られて、わざと嫌味ったらしく、そして楽しそうに話す白藤さんはどうやらまだまだ話す気らしい。
み、右手を、洗いてぇ…
「いやぁ、何となくは分かってたんですよ?
パッと思い浮かばなかっただけで!」
「うそー、名前聞いても全然表情変わらなかったし~」
キーンコーンカーンコーン………
キーンコーンカーンコーン………………
「それに俺の事を知らない人なんてここで初めて見たよ。」
おい、この人チャイムが鳴ったの気付いてないのか!?ひたすら話を続けようとしてるんだけど!?
「知らない訳じゃないんですってば!……あの、チャイム鳴りましたけど、戻りません?」
「嫌だー。折角だから二限目もはなそーよ」
「ええっ!?えーっと………」
「僕はこの前の文化祭でさー………………で……なんだけど………」
………昨日からついてなさすぎだろ俺…。
白藤 王 (しらふじ おう)
身長169/細くて弱い黒髪の為、ふわふわとしている/まさに「エロくないバージョンの氷鉋さん」/常に営業スマイル/一人称「僕」は外面だけ/基本優しい/ムカつくことは全て心の中で毒づくタイプ/取り乱す事がほとんどなく、好意を持つ人には穏やかに茶化す()
穏やかで大人っぽい雰囲気を纏うが、時折突拍子な行動を取ることも。最近はやんちゃな行動や寄行の回数が増えているので余計に周りを困らせている。
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