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4月
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学校が始まるとはじめに待ち受けるのはクラス替えだ。
「はあ…だるい…」
友達もろくに作らず過ごしてきた一年。
まわりはクラスから浮かないよう必死に頑張る最初の一日目…自分にはどうでもいい話だ。
クラスを確認して教室に向かうと回りからひそひそと声が聞こえる。
「えっ…あいつも一緒かよ…」
「え、だれ?お前知ってんの?」
「あいつ暗くてさ…しかもピアスすっげぇついてるし…よくわかんないんだよ。」
知ってる…全部知ってる…俺が気味悪がられて嫌われている事。
ごめんなさい。
息が苦しくなってきた…心臓が痛い。
でもこうしていないと怖いんだ。
苦しくならない方法は誰ともかかわらない事だから。
嫌な視線も落ち着き席につく。
廊下側の一番後ろ、廊下側は人の出入りが激しいから好まないが一番後ろは有り難いから黙っておこう。
とにかく誰の声も耳に入らないように、気にしないようにずっと愛用しているイヤホンを取り出し音楽を流す。
そっと目を閉じればそこはもう一人の世界。
すぅっ…と心が軽くなるのが分かる。
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