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インターフォンを押すとすぐに亜樹のお父さんが出てきた。
「おはよう、臨くん。ごめんね、亜樹はまだ起きていないみたいだ」
亜樹のお父さんは優しい声と爽やかな笑顔のせいもあってか、とても40代には見えない風貌だ。
「おはようございます。いえ、僕の方こそこんな朝早くに押しかけてすみません…」
「相変わらず臨くんはお行儀がいいね。聡子さんによく似ている。あ、朝食は食べてきてしまったかな?トーストを今焼いているところだからよかったら一緒に食べないかい」
亜樹のお父さんへの不信感はここにもある。よく僕の母さんの名前が出る。ご近所以上の付き合いを聞いたことは一度もないはずなのになぜか亜樹のお父さんは僕の母さんの、亡くなったお母さんの名前をやたらと出したがるんだ。
「実は食べずに出てきてしまったのでお腹空いてたんです。ついでに亜樹、起こしてきますね」
「あぁ、いや、いいよ。亜樹は私が起こしてこよう。えぇとそうだな、ではゴミ捨てだけお願いできるかな?すまないね」
亜樹のお父さんは、僕を極力2階にはあげてくれない。小さな頃から何度も遊んでいるはずなのに亜樹の部屋に入ったことがあるのは1、2回だけだった。
「はい、じゃあこれ捨ててきますね」
そう言って僕はゴミ捨て場に向かった。
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