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朝食を済ませ、亜樹のお父さんに見送られながら僕たちは2人で家を出た。
「亜樹、あのさ」
「何?古典単語テストの話?」
そういえば単語テストの勉強してないや、と亜樹は焦った顔をした。
「…いや」
「何?」
「亜樹さ、お父さんと何かあった?」
そう僕がいうと、亜樹の顔は一瞬凍りついた。しかしすぐにペースを持ち戻し話を変えようとする。
「え…?いや?いつも通りだけど?ああ、昨日僕がゴミ捨て忘れた話でも聞いたの?」
「亜樹。僕、真剣に話してるんだ」
「……だって何もないし」
不貞腐れるように言う亜樹を見て、今日も話してくれそうにないとあわった。
「…そう、ならいいけど。でも何かあったら僕は本気で亜樹の味方になるから困ったことあったらいつでも言いなよ」
少しクサイかな、とも思いつつそう言うと案の定亜樹は笑った。
「ははっ、かっこいいな臨。昔っから変わらないねー、臨くんはー、あははっ」
「だから僕は真剣に………って、亜樹?」
こっちは真剣に話しているのに、と乾いた笑い声にイラつき振り向くと、亜樹の目からは涙が溢れていた。
「あははっ…何もないし俺は全然大丈夫だよ」
「亜樹、ちょ…いきなり泣くな、おい」
笑いながら大丈夫と言いつつも、亜樹はポロポロといつまでも泣き止まなかった。
それでも亜樹は何も話してはくれなかった。
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