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「どう言うことなんだ、お前たち」
僕は先生に、亜樹から引き離された。視線を落としたきり顔を上げることができない。先生の怒声が流れていく。
「おい聞いているのか、斎条」
「………」
言葉が、出なかった。
「東塔、大丈夫か。斎条に何かされたのか…?」
そうです、先生。僕が無理矢理キスしました。僕が悪かった。亜樹はきっと頷くだろう、そう思ったのに亜樹は笑って首を横に振った。
「いいやぁ、俺部活行かないって言ったら臨キレちゃって殴られそうになってただけっすよ。先生止めに来てくれて良かったー」
「亜樹…」
僕はびっくりして顔を上げると、少し困ったように笑った亜樹は服装を直しながら立ち上がった。
「俺が悪かったって。もう臨も今日はさぼっちゃえよ、帰ろう」
「おい東塔、斎条…」
先生の声に振り向きもせず、亜樹は僕の手を引いて教室を出た。
「………亜樹」
名前を呼ぶと、亜樹は「大丈夫、わかってるから」と小声でそう言った。
僕は、自分のひどく惨めな姿が情けなくて仕方なかった。
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