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昼の屋上。
「一夜さん、あーん」
俺の口元に運ばれてきたご飯を食べる。
「うまい」
「おいしいですね」
虎汰郎も食べる。
「あ、そうだ。今日スーパー行くんですけど来ますか?」
「ああ」
虎汰郎はマンションの4階の部屋で一人暮らししている。
俺の家とは遠いけど、いつも家まで送ってくれる。
「うどん食べたい」
「いいですよ」
虎汰郎は言えばなんでも作ってくれる。
本当にいい奴。
「じゃあ、また放課に。」
「ん、ああ」
昼放課の終わり頃は、少し寂しそうな顔をする。わんこみたいだといつも思う。
「サボるか?」
「いや、留年するわけにはいかないんで。」
ずっとこっちを見ながらドアを閉める。
俺だって寂しい。
同い年だったらどれだけ良かったと思ったか。
同じ教室で一緒に入られたかもしれない。
ずっと虎汰郎を見てられるクラスメイトが羨ましい。
「いっそ俺が留年するか?」
でも、虎汰郎は悲しい顔するだろうな。
6限目は行くか。留年だけはしないように。
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