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次の日、体がだるくて寝返りだけしてぼーっとする。
時間を見ようとスマホを開くと、たくさんの通知。
スマホの上に10時と映されているのを確認してから、ラインを見る。
『おはようございます!』から始まり『一夜さん?』『おーい』といったものから不在着信が何件も。
ベットから起き、インターホンの履歴を見ると何回も押していたっぽい。
虎汰郎は俺が本当のことを知ったことを知らない。だからいつも通りで余計悲しい。
これ以上見たくなくてスマホの電源ごと切る。
何か食べようと冷蔵庫を見るとタッパに入れられた虎汰郎が作ったものが目に見えて、食べることを止めて麦茶だけ飲む。
洗面台へ行って顔を洗おうとすると目の下が赤くなってて鏡を見るのをやめて部屋へ行く。
着替えようと思ってクローゼットを開けると虎汰郎の服もたくさん入っていて着替えるのをやめてベットへ逆戻り。
虎汰郎。虎汰郎。虎汰郎。
全部虎汰郎だらけ。
いつからこんなになってたんだろ。
それと同時に虎汰郎は家に俺の料理なんかないし、服もないし、俺のことで泣かないなと思った。
そんなもんか。あいつは俺のこと、好きでもなんでもなかったんだろうし。いつでも切れる関係にしてたんかな。俺、利用されてでもいたのかな。
わっかんねぇ。
寝よう。
虎汰郎と会ってから今日が初めて学校へ行かなかった日だった。
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