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虎汰郎side
あれだけ考えていたのに言葉が出てこない。
何から言えばいい?
何を言えばいい?
口を開くが喉につっかえる。
「虎汰郎。早く言えよ。」
こちらに目も合わせずに言う。
違う。
違うから。
気がつくと口よりも先に足が動いていた。
座っている一夜さんの前に立ち、
顔を両手で包み、
無理矢理こっちを向かせる。
そして驚いている顔をしているのも気にせずに唇を奪う。
あ、そう言えば初めてだな。俺からしたの。
柔らかい。
行動は荒々しいが頭の中は冷静になっていた。
「一夜さん、
好きです。」
これだ。これだよ。
一番最初に伝えなきゃ行けなかったこと。
一番最初に伝えたかったこと。
「こたろ…?」
あ、泣いてる。
でも約束は破ってないよね。
だってこれ嬉し涙なんでしょ。
「一夜さん、泣くのはまだ早いです。」
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