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「どうしましょう、先にご飯食べます?」
「話長くなりそうだしな。そうするか。」
「じゃあ、俺が「俺が作る。」
虎汰郎がえ?とでも言いたげな顔をしている。
「お前に食べさせたい。」
「ん…。なら。」
と、言ってくれたものの、料理を作り始めても、虎汰郎はこっちを見続け、そわそわしている。
心配しすぎだろ。
彼女とかいうより、子どもを見るお母さん見たい。
虎汰郎の目線を気にしながら料理をし続ける。
そして油を使い始めるとさらにそわそわしだす。
だからさ……。
いつでも飛び出せるようにしている虎汰郎が面白可愛くて、思わずよそ見していると、
「危ない!」
入れようとしていたものが箸から落ちて、油に落ちる。
その衝撃で油が勢いよく跳ねて俺の手につく。
「早く冷やさないと!」
すぐさまこっちに来た虎汰郎が俺の腕を掴み、蛇口をひねり、手を水につけさせる。
「しばらく冷やしておいてください。
あとやっておきますんで。コロッケですよね?」
怒った顔をして虎汰郎が言う。
「嫌。全部自分でやりたい。」
「駄目です。もう怪我するところを見たくないんです。」
今度は悲しそうな顔して言う。
「……わかった。」
大人しく手を冷やしながら、隣で作業をしている虎汰郎を見る。
手馴れていて、やっぱもっと練習しなきゃと思う。
「俺が作ったやつは虎汰郎の皿に盛り付けておいて。」
「はい。」
次は絶対失敗しない。
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