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「じゃ、俺の話。」
俺の言葉で雰囲気が変わる。
虎汰郎が真剣な目でこっちを見てるのを確認して話し出す。
「俺は……両親は死んでいない。
ただ会ってない。
ほとんど、一回しか会ったことがない。
…、虎汰郎さ、この家に違和感感じたことはないか?」
「……高校生の一人暮らしにしては一軒家ってあれだな〜とは。」
「ん。俺の家族、特殊な仕事というか、メディアに出るような仕事をしてて。
成瀬 京花と、ユースケって言う女優とアーティスト知ってるか?
あれ、俺の親。
ちなみに成瀬は旧姓。
だから言っちゃえば、俺は隠し子。
この家は俺を隠すために買った家。
この家にはちっさい頃から住んでいる。
物心がついた時にはもう、って感じだ。
裕太さんには会ったんだよな?」
ぽかんと口を開けながらも、
虎汰郎が頷きを返してくれる。
「裕太さんは親の家の家政婦で、
あの人が俺の育て親みたいなもん。
本当の母親には1歳の時に一回だけ。
父親はない。
それで一夜限りだけ会うことができたから親は一夜って名前つけたらしい。
…変な話だよな。
俺の話はそれだけ。
それしか知らないから。
だから以外と話短かったな、」
話を聞き終えると、虎汰郎は反応に困った顔をする。
「ごめんな、困らせて。」
「ん、いや…、でも話が聞けてよかったで…よかった。」
「俺も話してスッキリした。」
お互い目を合わせて、何かを確かめ合った。
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