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さん
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「一夜」
声をかけられ顔を上げる。
「おまたせ」
昼に少し遅れてやってきた虎汰郎が顔を出す。
今は寒いから屋上じゃなく、屋上の扉の前の狭い踊り場にいる。
「授業が延長してさー」
「遅い」
「ごめんって」
自然のように俺の膝に座って弁当を広げる。
「いただきまーす」
一人黙々と食べる虎汰郎をただじーっと見つめる。
ハムスターみたいにほっぺが膨らんでいるのが可愛くてほっぺを触ってみる。
「ん〜〜」
喋れない虎汰郎がこっちを向いて目で訴えてくる。
「ははっ」
ぷにぷにとほっぺを触られながらもご飯を飲み込んだ虎汰郎。
「一夜〜」
「何」
ほっぺを摘んだり引っ張ったり、して遊ぶ。
ふにふにしてて気持ちいい。
すると仕返しに虎汰郎も俺のほっぺを触ってくる。
「あ、ふにふに」
虎汰郎もつついたり手のひらで押したりとやりたい放題だ。
「いっ」
力強くほっぺを抓られると、
「邪魔しないで。ご飯食べてから。」
「ん」
「話したいことあるんでしょ。」
分かってたんだ。
虎汰郎に隠しごとはできないもんだな。
「…ん」
虎汰郎の背中を見つめながら、静かに待っていた。
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