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よん
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「ん。ごちそうさま」
食べ終わって片付けている虎汰郎をまだ静かに見つめる。
「終わったよ。」
「ああ」
こっちに振り返って優しい笑顔で言われる。
「で、悩んでるんでしょ。
高校卒業してからのことで。」
分かってた。
やっぱり虎汰郎に隠し事はできないと痛感する。
「ん。」
「俺も嫌。ずっと今のまんまでいたいもん。」
変わるのは嫌。
そう思っていても時間は止まってくれない。
いつか離れるときがくるのは分かっている。
「だからさ、俺考えたんだ。」
虎汰郎からの提案。
虎汰郎はいつも俺を喜ばせてくれるのは分かっているのに「別れよう」とか言われたりしないかとこういう時にこそ、俺はネガティヴになってしまう。
「一緒に暮らさない?」
思いがけないことを伝えられる。
「それって…」
「同棲に、なるのかな?」
思ってもみなかった。
「いい、のか?」
「今兄さんに説得していて、多分もうすぐでOK貰えると思う。」
「いや、それもあるけど、虎汰郎自身は…」
「いいに決まってる。一夜こそ嫌と言わないでよ。」
「うん、嬉しい」
俺と虎汰郎が同棲しているところを想像する。
今までも半端同棲みたいだったけど、一緒に住むなら虎汰郎がいない日がなくなるんだ。
いつも一緒だからこそ余計寂しい時間がないんだ。
いつの間にか心のモヤモヤは消えていた。
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