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最悪な気分。変な気持ち。大佐side
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あーぁ、つまんなーい。
まぁ、大佐の仕事はほぼ書き物と会議ばっかだからなぁ…
俺は一口残りのコーヒーを啜り、カップを置く。
慣れてきたのもつい最近。昔はめちゃんこ苦手だったんだよなぁ…
きっ「〜♪」
近くにあるギターに手を伸ばし、膝に乗せる。
手に馴染んだ楽器は、指を添えると小さく音が鳴る。
きっ「…ん〜、少し緩んでるな…」
目を閉じてまた指を添えて弾く。
少し乾いた音。つんざくような音ではない。
…誰かが、俺の楽器弾いてる姿が好きって言ってたなぁ…
____きっくん、かっこいいよ。俺もそうなりたいなぁ…
なぁ、俺にも楽器教えてよ。一緒に音楽やろーぜ。
きっ「……、…」
…いや、なんだろうなぁ…
…………まさか、なぁ…
きっとこれが、…うーん…頭痛くなってきたぁ…
ビィィィイン…パキッ
きっ「いっでぇ‼……ぁ」
弦が切れた。手の甲からたらりと血が流れる。少し深い。
きっ「……はぁ…、…手当してもらお…」
医務室に向かい、ドアを開くとあろまが訝しげにこっちを見る。そして俺の手を見るとため息を吐く。
あろ「唾でも付けとけ」
きっ「そーんな事言わないでよ〜あろませーんせ?」
あろ「…ちっ…そこ座れや」
こんなとこが可愛いんだけどなw
奥ではぴーすけちゃんが何か作業してる。
あろまがちょんちょんと消毒をして、ガーゼを貼られる。
きっ「えぇ〜包帯じゃないのぉ〜?包帯の方がかっこいいんだけどなぁ…」
あろ「包帯はどっかの特攻隊長が毎日怪我するもんだからきらしてんだよっ…欲しかったらてめえの給料で3スタックほど買ってこいよ…」
きっ「えぇ〜ケーチ…」
ぴー「あ、包帯、兄さんが1つ隠し持ってるよ」
とぴーすけちゃんはニヤリと笑って言う。
あろ「あっ、バカ‼何で…」
きっ「えぇ〜なんでなんでぇ?」
あろ「……別に…特に意味は…」
ぴー「えおえおさんの怪我を我先に手当するためじゃないの?」
あろ「なっ…ば、か…ちげーよ‼」
ぴーすけちゃんの爆弾発言であろまは顔を赤くさせて怒鳴る。…うーん…それ完全に照れ隠しだよなぁ…
ツンツンデレか…
きっ「…ふぅん…あろま、えおえお大好きだね〜?」
すると、ギロリと睨まれる。おぉ怖い怖いw
鬼の軍医だねぇ。
あろ「…てめぇ、えおえおに言ったら殺すからな…」
きっ「あっはは、言わない言わない‼…ところでさぁ、あろま」
あろ「あ?」
__人体実験の資料、提供してくれない?
すると、嫌そうに歪められた顔。
あろ「……なん、で…」
きっ「ん〜…とりあえず貸してほしい」
あろ「…っ…だ…」
ぴー「ん、貸すよ」
ぴーすけちゃんが書類の束を渡してくれた。あろまは驚いた顔。
あろ「おいぴーすけっ…なんで…」
ぴー「逆に変だと思わないの?何で誰が人体実験をしたか不明なのにこの軍に人体実験のまとめがあるのか」
あろ「…でも…」
ぴー「兄さんは、FBさんやえおえおさんを救いたくないの?もしも治療できれば、もう2人は軍に使われる事も無いし、もう戦場で怪我をしなくて済むのに」
それがあろまに効いたようで、食い下がるあろま。
えおえおもあろまも、互いの存在に弱いのねぇ…
あろ「…すぐ返せよ。……資料見てるだけで、腹立つから」
きっ「はいはーい。ご協力感謝するよ〜」
あろまをちらりと見ると、少し泣きそうな顔。
きっ「…あろま」
あろ「…んだよ…」
きっ「昔みたいになれたらいいな」
あろ「…当たり前だろ。クソが」
ふふふ、やっぱりあろまだなぁ。
全然変わんない。ずっとずっと。
俺らも変わらないなぁ…
始まって、終わって。
繰り返して巡って。
……あー、なんだろなぁ。
俺は資料を手当してもらった手で持ち、自室へ帰った。
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