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chapter Ⅳ
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side 黎
≪続いては~?おお、会計様だ!≫
ステージにいた双子のうちの一人が
マイクを受け取った。
この双子、二人で一人分の王様を行う
ようだ。
この双子もsilver skyの幹部で、
お互いを溺愛しているらしい。
≪じゃあねー、39の人、僕達がどっちか
当ててね!外したら、そうだなぁ...
隣の人とキスしよっか?≫
嫌な予感は、当たるものだ。
≪おおっとこれは難しいぞ!
39番の人はどこかな~?≫
面倒臭い。
ゆるゆるとカードを上げた。
≪あれれ?何でそんな所にいるのかな?
遠くて見えないんじゃない?≫
当てられたライトの眩しさに、
目を細める。
『どうぞ』
わざわざ運ばれてきたマイクを手に、
あえて質問を無視した。
距離なんか、どうでもいい。
≪ふーん?後悔しないでね?....翼、≫
≪はいはーい≫
双子が一回ステージ裏にひっこみ、
すぐに揃って出てきた。
≪≪司はどっちでしょーか?≫≫
同じ顔が、同じように笑う。
仕草も、声も、まるっきり同じだ。
『左』
≪ざんねーん、正解はみ『左』≫
俺が口にした答えを、否定した二人。
けど、
≪僕達が違うって言ってるのに!≫
≪そうだよ!何を根拠に≫
『まばたきの速度』
≪≪へ?≫≫
『まばたきの速度が、0.3秒違う』
「それじゃ普通分かんないよ....」
静まり返った会場。
隣で、雪のため息が聴こえた。
お二人のお言葉を遮るなんて、と
非難する声も、止んだ。
黙れるなら、最初からやってほしい。
俺を見つめて固まったまま動かない
双子。
心なしか、目が潤んでいる。
≪正解だよ、僕が司....≫
≪司っ....≫
今にも泣きそうな顔で頷かれた。
パッとステージから走り出した
兄を追って弟も走り出す。
生徒会が職務放棄とは...
≪え、えーっと....≫
さすがに戸惑った様子で放送委員長が
右往左往。
この時、俺に向けられた視線は三つ。
生徒会長と副会長、そして自称狼。
敵意は無さそうだが
他意がない訳でもなさそうだ....
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