アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
chapter Ⅶ
-
作)ごめんなさいっ、間違えて
未完成なものを投稿してました!
side 黎
本当に広いな、この学園は....
ここの構造は頭に入ってるから
迷うことは無いだろうけど。
『どうせ行くなら、』
人のいない所、かな。
寮には雪とアキを閉じ込めてきたから
戻りたくないし学園には
近づきたくないし...
あまり考えずに寮を出てきたせいで
特に行きたいところもない。
意識がある時は、本当に退屈だ。
これならどこかで寝ている方が
マシかもしれない。
ふらふら行く宛もなく歩みを進める内に
大分奥まで来たらしい。
『そういえば、この先に庭園があったな』
道に沿って植木が影を作っている。
ゴミもなく、綺麗に舗装されていて
人気(ひとけ)も少ないし中々良い
サボり場になりそうだ。
五分ほど歩くと目的の場所に辿り着いた。
隅々まで手入れが行き届いているし
人間なんかと過ごすより全然良い。
ゆっくりと見渡して、ふとあるものが
目に留まった。
『白百合....、』
ふ、と自嘲の笑みが零れた。
この白百合は俺に一番合わない華だろう。
何しろこの華の花言葉は<純潔>だ。
更に言えば、母さんの好きだった華。
極道の妻をやっていたくせに、
この白百合が好きだった。
花言葉も、母さんに教えられた。
あの人が死んでから、二年も経つのか。
どこまでも純粋で、真っ直ぐな人だった。
本当に、俺を産んだ人かと疑う程に...
『眠い』
なんて、俺は別にここに感傷に浸りに
来たのではない。
一人になれる場所を探していたのだ。
色々と思い出して頭を使いすぎたのか、
眠気が増した。
もう一度見渡してアーチの奥に
ベンチを見つけ、そこに歩みを進めると
木々のお陰で日陰になっていた。
丁度良い、ここで寝よう。
安眠は、出来なかもしれないけどね。
side 黎 END
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
56 / 167