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chapter Ⅷ
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下っ端達が動きを止め、こちらを見て
騒ぎ出した。
トップに近づこうとする俺達を
止めようとした奴は雪の殺気に当てられて
気絶必至。
格の違い、ってやつ?
こっちは本業だしね。
さすがにこっちに気づいたらしく、
両チームの動きが停止した。
けど、ちょっと鈍いんじゃない?
静まり返った空間で、足音だけが響く。
ここ、工場跡地だっけ。
不良が溜まるから廃工場を取り壊したのに
抗争場に使われるとはね。
「ここでの抗争は許可していません」
普段より低い、雪の声。
凡人ならこれだけでアウトだな。
まぁ、意識があるだけマシというか。
立っていられるのは両チームの幹部のみ。
その中でもまともに話せるのは
副総長以上、ってところかな。
銀(Silver sky)の帝と秋山は
こちらを見定め中、
金(Gold eyes)の弥生と早瀬は
お揃いの金の目でこちらを睨み付けてくる。
いや、やっぱザコかなぁ。
震える腕を必死で抑え込んでいるのが
バレバレだ。
トップがそんなんじゃあ下は
もたないだろう。
最初に沈黙を破ったのは秋山だった。
「何者です?」
「解っていることを聞きますか」
嘲笑混じりの雪の返答に僅かに殺気立つ
幹部達。駄目だな。
格上とやる場合、冷静さを欠いたら
終わりだ。
つまらない。そよ風にも劣る殺気を
向けられた所でくすぐったいだけだ。
さっさと消えてくれれば
早く帰れるのに。
イライラが意図せず殺気として出てしまった
らしく、数名が後ずさった。
「大人しく引いてください」
「番犬の方々にお目にかかれて光栄です。
Gold eyesの、弥生 始(やよい はじめ)
と申します 」
「引く気は無いと?」
「少々お相手願えませんか、ねっ!」
返事も聞かずに雪の間合いに踏み込んだ。
馬鹿?あぁ、馬鹿なのか。
うん、面倒くさい。
ダァンッ!!!
「っ?!」
が、次の瞬間反対の塀にのめり込んでいた。
自業自得だ。
相手の間合いに迂闊に足を踏み入れるなんて
自殺願望がなければ出来ない。
既に数本(骨)逝ったか?
「何故、寝ているんです?
私は少し足を踏み出しただけですよ?」
追い討ちをかけるように雪が
距離を詰め、腹に足をめり込ませた。
「がはっ....ぅあ、や、め.....」
「頼んできたのはそちらでしょう?」
表情は見えないがそれなりに楽しんでる
のは理解できた。
本気を出せば意識を刈り取るぐらい
出来るくせに、あえてしないところに
性格の悪さが出ている。
「きちんと忠告申し上げたはずですよ?」
止めるの、めんどくさいなぁ.....
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