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白川さんのお父さん ⑥(おしまい)
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「水野さんから、探偵みたいなことを頼まれたんだって?」
水曜の夜、友人たちと飲んで帰った浅黄に綾倉が聞いた。
「内緒にしてたのに。誰から聞いた?」
「水野さんが絡んでて、内緒にはできないだろ」
実際のところ、亀井から聞かれもしないのに、水野自ら、彼に断られた調査は浅黄に頼んだことを話したのだった。
それを亀井が藤原に報告し、結果、綾倉の耳に入った。
「やっぱりか」
浅黄はそう笑った後、続けた。
「いつまでも夫婦仲良くするのって難しいのかな。
長年連れ添っても、ちょっとしたことで、相手を信じられなくなるんだね」
「所詮、夫婦は他人だからな。
人によって、許せないポイントは違うが、そこの許容範囲を超えると難しいかもな」
「綾倉さんの許せないポイントはどこ?」
「さあ、自分でもわからない。
許容範囲を超えられた時にわかるんじゃないか。
で、探偵ごっごは楽しかったか?」
「全然、楽しくなかった。
もうやらない」
「そうか、それは残念だな」
「なんで?」
「お前に頼めば、ただでやってもらえるんだろ?」
確かに、今回の件で報酬はもらっていないが、綾倉の人を見下したような言い方に引っかかった。
「俺のは仕事じゃないし、水野さんが気の毒な感じがしたから引き受けたんだ。
綾倉さんからの依頼だったら、絶対に受けない」
「なんだ、私より水野さんの方が大事なのか。
じゃあ、お前に頼みたくなったら、水野さん経由にするか」
「もうやらないって」
「そうか?水野さんは押しが強いから、引き受けるんじゃないか?」
「ああ、そうかも」
ため息交じりの浅黄の答えを聞いて、綾倉は笑った。
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