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ブルームーン 6(おしまい)
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浅黄は複雑な思いを抱きながら家に帰り、もやもやとした気分のまま、ベッドの綾倉の横に入った。
想いが届かない人たちを見るたびに、こうやって綾倉が横にいてくれることの幸せを実感する。
我慢できずに寝ている綾倉の唇にキスをした。
綾倉が目を覚ました。
「おっさんの白雪姫だ」
浅黄がそう言うのを馬鹿にしたように見た後、再び目を閉じた。
「なんだ、寝ちゃうの?
もう朝だよ」
「安眠妨害するな」
目を閉じたまま綾倉が言った。
浅黄は横になり、今夜のことを話した。
最後に、自分が選択したカクテルの話をした。
「藤井は、たぶん、好きな人が喜ぶためなら、一生懸命なやつなんだ。
だから、相手がプロポーズするってことをわかってて、俺の店を教えた」
藤井が店に来た時、帰り際の幸せそうな顔を見て、浅黄はてっきり、藤井の想いが相手に伝わったと思っていた。
あれは、藤井の心の中だけの『初デート』だったんだ。
「やっぱり、ブルームーンを出すべきだったのかな」
綾倉が目を開けて、浅黄を見た。
「わざわざ、お前の店を選んでプロポーズをした客だろ。
その相手には、素直にお祝いの気持ちを込めたカクテルで良かったんじゃないか」
「そう、だね」
綾倉の言葉に、浅黄は微笑んだ。
おそらく、ブルームーンを出していたとしても、綾倉は浅黄の選択を肯定してくれていただろう。
綾倉は、いつもそうやって、浅黄の心の平安を保ってくれる。
「おやすみ」
すぐには寝られそうもなかったが、浅黄は目を閉じた。
しばらくして、隣の綾倉が動く気配がした後、キスをされた。
目を開けると、目の前に綾倉の顔があった。
「安眠妨害だよ」
「もう、朝なんだろ。
こんなに早く起こしたんだ。
私が家を出るまで起きてろ」
「横暴だなあ」
綾倉は再びキスをした。
意思が感じられるキスで、二人は着ているものを脱いだ。
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