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タイセツナオモイデ4
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それが13歳まで続いた。
けど、この愛され方が間違ってるなんて思ったことは無かった。
この愛され方が正しい、この愛は本物だ。
「かはッ……!ぅ''、がぁッ」
「愛してるんだ、お前をッ!×××をッ、千影を」「ぃあ''ッ……ぐッ!」
「愛してるんだ愛してるんだ愛してるんだ」
首を絞められても、タバコの火を押し付けられても、ガラスのコップを投げつけられても、身体中が痛くても、身体中に青黒い痣があっても。
「愛してる」
その言葉を聞くだけで、もう他の全てがどうでも良くなった。
愛されてるならもういい。
拒絶なんてしない。
悲しまない。
笑って、この人の愛を受け入れてやる。
そうすると簡単だろう。
この人が俺に対する全てが愛おしいくて、気持ちよくて、快感に変わってしまう。
口から出るもの全て、声も、息も、もう全てが喘ぎ声に変わってしまう。
脳みそがドロドロのげちょげちょに溶けてしまってもうなにも考えられなくなる。
高校生になるにつれて、首を絞められるという行為はなくなった。
きっとこれ以上したら誰かにバレてしまうことが怖かったんだろう。
今更だけどな。
父親から襲われるという事はなくなったが、暴力だけは続き、ある日クラスメイトの女1人にオレが父親から暴力を受けていることがバレてしまった。
その女に言われた。
「ねぇ…暴力うけてるの?」
「……は」
「だってその傷、喧嘩したとかいう傷じゃないでしょ?」
「あ、あぁ……」
「そ、か。誰かに助けとか、求めないの??だって、最低だよ、自分の子供に暴力ふるうなんて!」
失礼な奴だな、と思った。
話したこともない奴にオレの何がわかる。
最低?笑わせるな。
オレはこれでいいと言ってるんだ。
「お前さぁ……馬鹿か」
「え…?」
「オレはこれでいんだよ。お前には何にも関係ないだろ。」
「だ、だって!嫌じゃないの?!暴力だよ」
「だから、これでいんだよ。今までオレに興味がなかった父親が、暴力をふるうときだけ俺を見てくれる。その時だけオレを見てくれる。」
「要するに……愛されてると思ってるわけ??……馬鹿なのは伊宮くんだよ!そんなの間違ってる!可哀想な人……」
可哀想だと?お前に、お前に
「お前に何がわかるんだよ?!可哀想だと?!笑わせるな!間違ってるだと??あぁ!そうだ間違ってる!そんなのはな、ずっと前から気付いてんだよ、でもな、間違ってるなんて思ったら終わりなんだよ!もしそれに気づいたらオレは何に縋って生きればいいんだよ!」
気づいたらこの女の胸ぐらを掴んで叫んでいた。
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