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お散歩⑥*
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悠斗は緊張しながら順路を進んでいった。
九条の気まぐれでいつ玩具が振動を始めるかわからないため、声が漏れないように唇をキツく結んでいた。
「悠斗は水族館で何が一番好きだ?」
「……っ」
九条の問いに、悠斗は答える余裕がなくて首を振った。
「悠斗、質問には答えなさい」
「〜〜んんんん…ッッ…んーっ!」
全身の玩具が一気に振動を始めた。
悠斗は慌てて口を塞いで九条にもたれかかって懸命に耐えた。
振動が止まり、九条が「ん?」と悠斗に問い直す。
「は…っ…ふぁ…」
なんでもいい。魚なんて見たくないから早くこの時間が終わればいい。
悠斗は呼吸を整えて、当たり障りのない回答をした。
「…ペンギン…です…」
「そうか。ここにもいたな。あとで観に行こう」
そんなことはいいから早くここを出たい。
そう言いたくても言うことはできず、できるだけ足早に順路を歩いた。
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