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リクエスト① 3
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「ククッ、ほら翼、こぼしてる」
「うぅ、はしはむずかしいよー」
「だからスプーンにしろと言っているだろう?」
「やだやだ!できるもん。おはし使うー」
ぎゅう、とはしを握って抵抗したおれは、だけどどうにも上手く使えなくてポロポロ落ちるご飯は、中々口に入ってくれなかった。
「ククッ、意地っ張り」
「んべー」
「本当、負けず嫌いだな。小さくなっても性格は変わらないのか」
ニヤリと唇を吊り上げている火宮は、さっきからずっと笑いっ放しだ。
「ひみやさん、楽しいの?」
「あぁ、大いにな」
「ふぅん?ひみやさんが楽しいと、おれもなんかうれしいよ」
えへへー、と笑ったら、火宮が片手で口を押さえて、スゥッと目をそらしてしまった。
「クッ、そうか…」
「ひみやさん?」
「いや…。あまり見るな」
「ほぇ?」
どうしたんだろう。
気分でもわるくなっちゃったのかな。
「げー出る?」
「ッ…」
「ここにしていいよ?」
両手を受け皿みたいにしてさし出したら、火宮は今度は頭を抱えてしまった。
「おまえは…」
「ん?頭もいたい?」
「俺をどうしたいんだ。まったく」
クックッとのどを鳴らした火宮が、完全に困り顔で、ふにゃりと笑った。
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