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リクエスト④ ご機嫌ナナメ 7
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「あっ、ふっ、んんっ…」
媚薬を飲まされたせいで、ひっきりなしに快感が湧く。
もう何をしたって気持ちいい身体が、貪欲に快楽を欲しがってどうしようもない。
「やっ、あっ、欲し…イきたっ…」
リングに締め付けられた中心はパンパンに膨れ、痛いんだけどそれすら気持ちよくて、下着がジットリと濡れているのが分かる。
「あっ、あんっ、ひ、みやさっ…」
トンカツ屋を後にして、この車は一体どこに向かっているのか。
見慣れない車窓の景色からは行き先が分からない。
でももうどこでもいいから、この身体の熱をどうにかして。
「あっ、お願っ…」
ソロソロと伸ばした手で火宮の腕に触れる。
「クッ、運転中だ、邪魔するな」
「やっ、無理。お願っ…」
冷たく冷ややかな視線にすら、ゾクリと感じる。
口先だけで、手は振り払われないのをいいことに、俺はぎゅぅ、と火宮の腕を掴んだ。
「助けて…熱い。身体、熱い…ナカ、欲し…」
もう限界。
いっそこのまま車内でいいから抱いてと懇願しそうになる。
「ククッ、ほら」
「は…?」
ぎゅっ、と手に握らされたのは、ローターのリモコン?
「ば、かっ…」
違う。
欲しいのはこんなものじゃない。
ヒクヒクと震える身体を必死に抑えながら、俺はそのリモコンをガンッと足元に投げ捨てた。
「ふっ、頑固だな。辛いだろう?」
「わ、かって、るなら…」
もう許して…。
とうとう涙まで溢れてきた。
「ククッ、反省したのか?」
「ふっ、だ、って火宮さっ、も、悪い、のに…」
そもそもあなたがドタキャンしなかったら、俺もこんな目に遭わずに済んだのに。
「だから悪いと思った気持ちを表しただろう?」
欲しいものやケーキやゲームでだと?
「い、らなっ…。お、れは…」
「なんだ」
俺は。
「す、まなか、った、って…一言…」
それだけ言って。
「キ、ス…」
そう。キスの1つでもしてくれたら、それだけで良かった。
余分な仕事まで持ち込まず、真鍋を優先になんかしないで、真っ先に俺の元に来てくれていたら…。
「クッ…おまえは」
「だって、だってぇっ…」
デート、本当に楽しみだったんだもん。
ずっと行きたかったんだよ?
それまで残業いっぱいで毎日ちょっとしか会えなかったの、すごく我慢してたんだから。
「そうだな。今日は悪かった」
「っ…」
今さら。
今さらそんなの、謝られたって。
運転中だからこれでごめんな、って、ヨシヨシと頭を撫でられたって…。
「ズルい…。ずるいー」
どSのくせに。
意地悪ばっかりして、俺を苛めるのが大好きなくせに。
自分に落ち度を認めたら、こんな風に潔く頭を下げちゃうんだもん。
「ふぇっ、俺、もっ…」
「ん?」
「俺もっ、火宮さんたちが、必死なの、可笑しくて…調子、のって、ごめっ…なさ」
この人たちなりに、反省してたんだよね。
それを揶揄うような真似をして、悪かった。
「ごめんなさいー。はんせ、したっ…」
うぇぇん、と嗚咽混じりに紡いだ言葉に、返ってきたのは…。
「赤信号」
ナイスタイミング、と笑った火宮の、俺の唇に重なる優しい口づけだった。
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