アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
リクエスト12 暴走子羊と意地悪狼 7
-
「ククッ、飛んだか?翼」
ぐったりと、床に倒れ伏した俺の身体を、火宮がゆっくりと抱き上げてくれた。
「っ、う、ぁぁ…」
空イキのせいで敏感になっている身体は、それだけの刺激にもブルリと震える。
「ふっ、辛そうだな」
「っ、あぁっ、ンッ…」
当たり前です…と、文句を言いたい口は、虚しい嬌声しか漏らせなかった。
「クックックッ、トロンと蕩けたその顔」
ニヤリと笑った火宮は、この上なく楽しそうで。
ふわりと下された身体が、柔らかいソファに沈む。
あぁ、もう限界…。
必死で繋ぎ止めていた意識も、もう手放す寸前だ。
「お、願い…も、許し…」
浮気を疑って悪かったから。
当てつけで浮気しようとなんてして、反省してるから。
「じんー」
無意識に、伸ばした手と、呼びかけた声に、火宮の苦笑が見えた気がした。
「はぁっ。まったく、いつまでも書類がお出来にならないと思いましたら、仕事をそっちのけで、何をなさっているのですか」
呆れたような真鍋の声が聞こえ、俺はぼんやりと意識を浮上させた。
「クックックッ、俺の専属秘書が潰れてしまったからな」
介抱だ、と悪びれなくのたまわっている火宮の声が、ぼんやりした頭に滑り込んでくる。
「潰したのはあなたでしょうに。まったく、先程お渡ししました書類、一文字も進んでいないとは、どういうことです?」
ガミガミ、ネチネチ、真鍋の小言が炸裂している。
「まぁそう怒るな。こんなに可愛くて色っぽい秘書が側にいて、手を出さないでいられるわけがない」
っ…この人はぁ。
「はいはい。あなたが翼さんをこれでもかというほど、溺愛なされているのは分かりましたから。いい加減に、仕置きは終わりにして、まともに仕事をなさって下さい」
まぁこっちもこっちでブレないな。
でも溺愛って…。
「ふん。おまえたちだって、1日目一杯翼で楽しんだくせに」
「我々と会長では、度が違います。あなたは翼さんがお側にいるだけで、こうして仕事にならないのですから…」
確かに夏原も真鍋も、俺を苛めながらも仕事を淡々とこなしていたっけ。
「クッ、うっかり仕事より優先してしまうほど、こいつにハマっているというのにな」
張本人の俺だけが、その火宮を疑い、浮気を勘ぐるって?
「まったくです。翼さん自身も、結局のところ、会長でしか駄目でいらっしゃるのに」
っ、そういえば、夏原にされたお仕置きも、真鍋のそれも、やっぱり何か違うって、俺はずっと違和感を持っていたんだ。
無意識に火宮と比べて、俺は結局、火宮のやり方が1番しっくり来ていて…。
「その翼さんが、浮気などお出来になられるわけがないのです」
「当然だな。翼の全ては俺のもので、俺の全ては翼のものだ。おい、翼、聞こえているんだろう?」
う…。意識が戻っていること、気付かれていたんだね。
「あー?はい」
気まずさを感じながら、ゆっくり身体を起こした俺は、どSな2人に、恐る恐る視線を向けた。
「で?翼」
「っ…反省してます。俺の全部は火宮さんのもので、火宮さんの全部は、俺のです」
「ククッ、どうだ」
ドヤァ、と、勝ち誇ったように真鍋に笑みを向けている火宮が、子供みたいだ。
「まったく。それがお分かりでしたら、金輪際、私を下らない痴話喧嘩に巻き込むのはお止め下さい」
「う、ごめんなさぁい」
冷ややかな視線なんだけど、どこかに「仕方ないですね」と苦笑している気配もあって。
「でしたら、会長はしっかりお仕事を。翼さんは自宅にお送り…」
「いや、まだ昼前だ。翼は後半日、俺の専属秘書だろう?」
「は?」
いやいやいや、もうお仕置きは終わりでしょう?
今、丸く収まったよね?
ニヤリと悪い笑みを浮かべている火宮を、思わず凝視してしまう。
「何を言っている。夏原も真鍋も1日こき使ったんだから、俺も使う」
はぁっ?
あぁ、忘れていた、この人の独占欲の強さと嫉妬深さ。
「さぁ翼、今度は俺の執務机の下に入って、俺に奉仕して貰おうか」
おまえはさっき気持ちよくなったからな、って…。
それ、絶対に秘書の仕事じゃないよね。
「会長!お仕事は」
「クッ、翼に奉仕されながらでも出来る」
だから執務机の下なんだね。
仕事をする火宮の足元に跪いて、フェラをしろと。
「なんなら上に跨ってもいいがな」
社長椅子で、というのも愉しいって…。
「このどSっ!」
あぁ、こんなにも俺を苛めて啼かせることだけで頭がいっぱいみたいな人を、なんで俺は疑えたんだろう…。
「もうっ、そんなのどっちもやりませんからねっ」
馬鹿だなぁ俺、こんなに愛されているのに。
照れ臭さも混ざって、ツン、とそっぽを向いてやったら、「なんだ、つまらん」と呟きながらも、やけに楽しそうな火宮の声が聞こえてきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
86 / 233