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不思議な後輩 1
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硝子はいつにも増して今にも倒れそうな身体を
どうにか支えながら足を引きずるように歩いていた。
学校までの道程がいつにも増して酷く遠く感じた。
全身が痛い。
ただひたすら疲労困憊に翻弄され、
何も考えることが出来なかった。
昨日保健室で、伊積恭介と名乗る生徒に、犯された。
夢のような出来事だったが身体の痛みが現実だと証明している。
彼の魂胆も、何故自分なのかも分かるわけがないし
今は考えられる余裕はなかった。
ただ、多分報いなのだろうと漠然と思っていて
それは仕方ないことだと受け入れるのは容易い。
だから悲しくもないし、
絶望する程追い込まれてもいなかった。
ただもう少しこの痛みが薄くなればな、と思う程度で。
ようやく正門に辿り着き、ふう、と息を吐いた。
教室まであと少し。
硝子は気合いを入れ直して再び歩き出した。
「..あいつ相変わらずとろとろ歩いてんな」
「な。見ててイライラするわ」
くすくすと笑う声が後ろから聞こえる。
生徒たちはあっという間に硝子を追い越し、
チラチラとこちらを振り返っては笑っていた。
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